カンノサカン「component」

2014年9月 6日 - 10月12日

Maki Fine Artsでは、9月6日(土)より、カンノサカン 個展「component」を開催致します。
カンノサカンは、1970年東京生まれ。曲線で構成された細密な抽象ペインティングで知られています。今回はMaki Fine Artsでの初めての個展であると同時に、2004年の個展「trace」(weissfeld-Roentgenwerke / 六本木)でのデビュー以来10年目の記念すべき個展でもあります。

カンノの作品は、ウレタン塗料を用いた光沢のある地に、極細筆で描かれたアクリル絵の具の躍動感溢れる曲線が特徴的です。均質で工業的な光沢面に、アクリル絵の具のマットな質感の対比が、画面上に空間の深度を生み出しています。支持体となっているキャンバスや画面の構成などは、古来より日本で多く用いられている白銀比に基づいており、その最終的な仕上がりは、琳派、大和絵、蒔絵のような、プレシャスな輝きを放っています。

近年の作品では、これまで即興的な描写を最小限に抑え、制作スタイルがフォーマット化されています。雲形定規などで描く造形の塊、過去の作品画像のトリミングから抽出された線画の断片など、それぞれのエレメントを、幾何学構成的なグリッドをベースにしながら、それらを組み立てるように画面を作り出しています。本展新作では、エレメントのひとつひとつ、更に、分割された各々のキャンバスなど、それらを単なる交換可能なモジュールではなく、完結性、独立性、自律性をもった〈component〉と捉え作品を構成しています。
カンノサカンの新しい展開を是非ご高覧下さい。

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カンノサカン / Sakan Kanno "5.7.5 Red Sunburst"(部分/detail)
2014
パネル、キャンバス、ウレタン塗装、アクリル / Urethane and acrylic paint on canvas mounted on wooden panel
1100mm × 3750mm

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