Exhibition
長田奈緒「大したことではない(なにか)」
2020年7月11日 - 8月2日
Maki Fine Artsでは7月11日(土)より、長田奈緒 個展「大したことではない(なにか)」を開催します。長田は、身近にあるもの(例えばamazonのダンボール箱、Ziplocのフリーザーバッグなど)の表面の要素を、シルクスクリーンを用いて、実際とは異なる素材(木材やアクリル板など)の表面に刷った作品を制作しています。目を凝らすとその質感の微細な差異を発見することができ、知覚的な驚きをもたらします。私たちが日常的に見慣れたイメージを、丁寧に拾い出し、版を通じて各素材に落とし込み、精密なオブジェクトとして変換しています。丹念な手作業によるシルクスクリーン技術の実験的積み重ねによって、イメージとマテリアルを調和的に掛け合わせることを実現化します。作品のひそやかなの外見とは対照的に、モチーフとなる題材を選び出す、軽やかでユーモラスな視点は、鑑賞者の感覚をくすぐるようであり、長田の作品の特徴であるといえるでしょう。
本展はMaki Fine Artsでは初の個展となります。おしぼりや食品パッケージ、さらには梱包用シールなど、ささやかな題材の新作が集積され、ギャラリー空間に散りばめられます。是非ご高覧下さい。
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自分の作品を英語で説明するために、trivialという単語の意味を調べた。
ささいな、つまらない、ありふれた、いくつかの日本語に加えて「大したことではない(なにか)」という解説を見つけた。
trivialという言葉で言い表そうとしていたはずのものが、むしろ言い当てられたようだった。大したことではない、でも『なにか』であるものに向き合って制作している。
長田奈緒
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長田奈緒 | Nao Osada
1988年神奈川生まれ。2016年東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。近年の主な展示に、グループ展「outline」(2019年、Maki Fine Arts)、グループ展「Smooth Accident 踏み外された版画の展覧会 vol.1」(2019年、MA2 gallery)、個展「息を呑むほどしばらく」(2018年、 Open Letter)など。2020年9月より、都美セレクション グループ展 2020「描かれたプール、日焼けあとがついた」(東京都美術館 ギャラリーA)に参加予定。