Maki Fine Artsでは、2016年5月28日（土）より、カンノサカン 個展「CONDENSED」を開催します。

カンノサカンは1970年生まれ。Maki Fine Artsでは、2014年の個展「component」以来、約1年半ぶり、2回目の個展となります。

カンノは躍動的な曲線で描かれた細密な抽象ペインティングで知られていますが、本展で発表される新作は、初の発表となる立体作品を中心としています。新シリーズ「five square」は、無垢の鉄に、ラッカー、エナメルによる塗装面、アクリルと鉛筆の描画で構成されています。これまでのペインティングでは、ウレタン塗装の光沢によって奥行きを感じる画面の上を、極細筆を用いたオーガニックな描画により、拡散的な空間を意識させる作品でしたが、今回の一連の作品では、描画は抑制され、小さな立方体の中に、各要素が凝縮された高密度な作品になっています。無垢の金属の重量を感じさせない艶のないマットな塗り、偽の錆を描くことで与えられる工業的な重厚感、金属光沢の上に鉛筆で描く柔らかなパターンなど、各要素が効果的に対比され、緊張感を生み出しています。
カンノはこれまでに、キャンバスサイズや画面構成などで、古来より日本で多く用いられている白銀比率を用いてきました。今回の「five square」シリーズでは、二点組の作品においては、互いの重量が白銀比率になっているのが特徴的です。

カンノサカンの新たな展開を是非ご高覧下さい。