加納俊輔「滝と関」

2021年6月 5日 - 7月 4日

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Maki Fine Artsでは、加納俊輔 個展「滝と関」を開催致します。加納俊輔の作品は、写真を通じて、画面に複雑な階層を意識させるイリュージョンを生み出します。版画の制作アイデアであるレイヤーの重なり(積層)と、記録装置としてのカメラ(写真)の特性を活かしながら、画面を圧縮していく手法で生み出される作品は、ものの 前後関係や奥行きが曖昧になる錯視効果を与えます。加納は1983年大阪生まれ、THE COPY TRAVELERSのメンバーとしても活動しています。

2013年の初個展以来、Maki Fine Artsでは6度目の個展となる本展では、「ピンク・シャドウ」 シリーズの最新作を発表いたします。「ピンク・シャドウ」は、印画紙が光を透過する性質を利用して制作されています。これまでの加納の作品の特徴は、表面からのレイヤーを重ねていく方法、「積層」によるものが大半でしたが、「ピンク・シャドウ」は裏面からの層が付け加えられたものです。このアイデアは、版画家、井田照一氏の作品からヒントを得たもので、表と裏を同時に見ることを実現化しています。
2018年のMaki Fine Artsでの個展「ピンク・シャドウ」で初めて発表された作品から発展し、 本展の新作は、さらに多重の要素が加えられ、複雑化したレイヤーにより設計されています。 画面の中心を構成するパターンの図(花柄やストライプ等)は、透明ビニールにシルクスクリ ーンで柄を刷ったもので、実際にはプリントされた写真の裏側に置かれたものです。裏面から 投影されて見える図像と、写真上で随所に構成された木片の陰影とのバランスが、視覚の動線を作り出し、より立体感のある階層のイリュージョンを作ります。
研ぎ澄まされた加納の最新作、是非ご高覧ください。

Shunsuke Kano | 加納俊輔
1983年大阪生まれ。京都在住。2010年 京都嵯峨芸術大学大学院芸術研究科修了。写真を通して、複雑な階層を意識させる手法により、「見る」という行為を問い直す作品を発表しています。近年の主な展覧会として、個展「ピンク・シャドウ」Maki Fine Arts(2018、東京)、個展 「コンストラクション断面」Maki Fine Arts(2016、東京)、個展「第8回 shiseido art egg 『加納俊輔 | ジェンガと噴水』」資生堂ギャラリー(2014、東京)、グループ展「VOCA展2017 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」上野の森美術館(2017、東京)、グループ展「これからの写真」愛知県美術館(2014、愛知)など。THE COPY TRAVELERSのメンバーとしても活動。

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Shunsuke Kano | 加納俊輔
Pink Shadow_29
2020
Inkjet print, lumber
75x60cm

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Shunsuke Kano | 加納俊輔
Pink Shadow_34
2020
Inkjet print, lumber
50x40cm

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